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【ダッファーのつぶやき】論説委員・鹿間孝一 ゴルフは人間性が試される(産経新聞)

 はじめにタイトルについてひと言。ゴルフをする人ならおわかりでしょうが、ダッファーとはダフる(ボールの手前の地面をぶったたく)から転じて、へぼゴルファーの代名詞。英和辞典を引くと、duffer=へたな人、役にたたない人、とあまりいい意味ではありません。つまり、ゴルフ歴5年にして、いまだにスコア100をなかなか切れない私のことなのです。

 なんだ、ゴルフのコラムか、と興味をなくした方もおありでしょうが、ちょっとお待ちください。起源には諸説ありますが、スコットランドの羊飼いが暇つぶしに小石を棒でウサギの穴に転がし入れてから六百有余年。このゲームは、山あり谷あり、喜怒哀楽ありの、思うようにならない人生そのもの。そんなゴルフの断片をお届けします。では、前置きはこれくらいにして、そろそろティーショット。

 先週行われた女子プロゴルフのワールドレディスサロンパスカップで、三塚優子選手がスロープレーで2打のペナルティーを科されたことに「納得できない」と途中棄権した。

 三塚選手は昨年の賞金ランキング5位の若手有望株。地元・茨城県で開催されたメジャー大会だったことから、より慎重なプレーになったのだろうが、裁定にキレての棄権は、いわば職場放棄。本人は自身のブログで「社会人としてとるべきでない行動をとってしまいましたことを深く反省しています」と謝罪したが、日本女子プロゴルフ協会の樋口久子会長は「ルールを守れないなら、(プロゴルファーを)辞めなさい」と厳しく叱責(しつせき)した。

 スロープレーはアマチュアでもよく問題になる。ゴルフ場はどこも「ハーフ(9ホール)2時間半でプレーして下さい」と呼びかけており、前の組が遅くて待たされるのはイライラする。要はルールというよりマナーの問題なのだ。

 それに女子プロゴルフが男子に比べまだ人気のなかったころ、樋口さんらトッププロが奔走してスポンサーを集め、大会を増やして現在の隆盛を築いた。それだけに樋口さんは、三塚選手の身勝手な行動によって、ファンにそっぽを向かれ、スポンサーが離れ、ブームがしぼんでしまうことを危惧(きぐ)したのだろう。

 協会は三塚選手に罰金200万円の処分を下した。本人も2カ月間、試合出場を自粛するという。厳しいようだが、それがゴルフだ。

 一方、米国の男子ツアーでは、プレーオフ(トップに並んだ選手による延長戦)でブライアン・デービス選手がルール違反を自ら申告して2打罰を受け、優勝を逃した。誰も気づいていなかったのに、とそのフェアプレー精神が称賛を浴びた。

 ルールを判定するのは自分自身。あるがままにプレーをし、スコアは自己申告、結果はすべて自己責任。ゴルフはプレーヤーの人間性が試されるゲームである。

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